流星を電波を使って解析する流星電波観測

 
   
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観測したデータを集計・解析しよう!

観測した,流星の電波観測結果はどのようにして集計するのでしょうか。それについてご説明したいと思います。今回は,私が使用している,みさと天文台のデータを用いて説明していきたいと思います。

はじめに

観測方法は別ページに示したとおりですが,観測ソフトはHROFFT(Windows)かFFTDSP4(DOS)を用います。このソフトで得られるデータは10分間を一画像としたgifファイルで取得されます。さて,ここではHROFFT用とFFTDSP4用の二つについてそれぞれ解説します。

HROFFTを用いた場合の集計方法

日本の大川氏によって開発されたWindows用のソフトです。従来はFFTDSP4を使っていましたが,DOSでしか動かないので,Windowsでも動くものをということで作り出されました。基本的には10分1画像を取得します。1画像のファイル容量は,電波状況にもよりますが,20KB〜40KBです。まず,HROFFTで取得したデータを以下に示します。

取得画像

これが,観測で得られる観測データです。これでファイル容量は31KBあります。
(注意:上の画面は容量削減のため16色表示で容量を押さえています。)

画面のそれぞれの意味は以下のようになります。

画面の意味

さて,この画面で流星はというと,縦にはいっているいくつか線です。これが流星出現によって反射された電波(エコー)です。左側の右下がりの線は,飛行機です。ドップラー効果(救急車が近づいてきて遠ざかっていくときに音が変わる現象)によって周波数(音の高さ)が変化します。飛行機は遠くから近づいてきて遠ざかっていくので横に線がはいります。整理すると以下のようになります。

観測画像のとらえ方

このようにして,1時間ごとに数を集計し,記録していきます。すると,毎月の流星電波観測結果のようになります。また,時にはたいへん大きなエコーが受信されるときがあります。以下の図はしし座流星群の時の画像です。

ロングエコー

1ドットが1秒ですので,継続時間を計ると,たいへん長い時間,反射し続けたことになります。これは流星痕による反射と推測されます。それだけ大きな流星が流れたのではないかということも同時に推測できます。これらをロングエコーと呼んでいます。みさと天文台のデータは20秒以上継続したものをロングエコーとしています。これは電波の状況などによって異なりますので,ロングエコーを何秒以上と設定したのかを,報告の際はしっかりと書いてください。

この他,太陽面活動が活発なときに起こるスポラディックE層や,ノイズによって観測不能になることもよくあります。

スポラディックE

上図:スポラディックE層(記号:Es)   下図:混信などによるノイズ(記号:IF)
(注意:上下画像とも画像を16色に変換し容量を押さえています。元は上が61KBで下が93KB)

混信によるノイズ

これらを考慮して集計すれば,HROFFTによる流星の電波観測カウントはうまくいくと思います。

カウントの際のポイント

大切なことは,HROFFTが表示している「meteor」の値を過信するのではなく,自分の中で流星エコーかどうかの判断基準をしっかりともっていることです。これこそが,データに信頼性を持たせることです。流星エコー数の1個や2個の数え間違えはそこまで大した問題ではありません (誤差範囲がカウントした流星の平方根で効くので)。自分の中で流星エコーかどうかの判断基準をきめ,自信を持ってカウントして下さい。

集計が終わったら,そのデータを報告しよう!

 カウントが終わったデータは是非報告をしましょう.報告をしなければ「宝の持ち腐れ」です.本プロジェクトでは毎月データを集めていますので,観測をしてカウントされた場合はご報告いただきますようお願いいたします。


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解析支援ソフトを有効に活用しよう!

HROの画面を上記の解析方法によって記録する媒体が意外と困るものです。そこで,解析支援ソフトが,山本道成氏よりフリーソフトとして配布されています。このソフトは,「HROview」というソフトです。カウントは自分で行わなければなりませんがファイル生成は自動的にされ,カンマ区切りのcsv形式で出力されます。

さらに,このHRoviewをHROreportという別の集計ソフトで読み込み処理すると,このwebでも報告されているようなテキストファイルを出力し,そのデータを即報告することができます。このような便利なソフトを有効に活用するのも,解析を能率良く勧める手段のひとつだと思います。以下のページからダウンロードが可能ですので,ご活用下さい。

HROviewやHROreportのソフト提供 : 
山本道成氏のページ 「流星の電波観測」

集計が終わったら,そのデータを報告しよう!

 カウントが終わったデータは是非報告をしましょう.


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FFTDSP4を利用した場合

 このソフトはCook氏によって開発されました。HROでは90年代に主としてこのソフトが使われていました。HROFFTができてからは使用数はほとんどなくなりました。このソフトも10分で1画像を取得しますが,プログラムのミスか,10分と少々で1画像となるため,1日のデータ数は135枚となります。DOSでしか動かないためたいへん不便ではありますが,1画像のファイル容量は数KBなので,一日の画像データがFD1枚にちょうどおさまる程度となります。以下の図は愛知県立千種高等学校で取得された観測記録です。愛知県立千種高校は送信局から100kmを切っているので,中心に直接波が入っています。

FFTDSP取得画像

この画像で約9KBです。

基本的にはHROFFTと同じですが,こちらは時間軸が縦ですので,流星(エコー)は横向きにでます。それさえ気をつければHROFFTと同じです。それぞれのデータの意味と,流星がどれかを示してみると以下のようになります。

観測画像のとらえ方

FFTDSP4の注意点

FFTDSP4の注意点は,ファイル名で日付時刻を確認できるHROFFTと異なり,月と時は10の桁を表すことができません。つまり,ファイル名は"UT101000.gif"になります。UTは気にしないでください。次の1が月です。これは1,2,3,4,5,6,7,8,9月まではそのままですが10,11,12月はすべてyになってしまいます。そして次の01が日付です。これはちゃんと01から31まで表記されます。そして,最後の000は0:00を意味します。ところが,1,2,3,4,5,6,7,8,9時までは順調にいきますが,10時からは1000にはならず,a00になります。つまり10時からはアルファベットです。a,b,c,d,....m,nとなります。nが23時です。ですから,UT223c50.gif となっているときは,2月23日12:50から10分間のデータということになります。

また,こちらでも,ロングエコーは以下のような画像となって観測されます。千種高校では電波環境が悪いので10秒以上をロングエコーとしてカウントしています。

ロングエコー

このようにして,エコーをカウントしてください。また太陽面が活発なときにはスポラディックE層が発生したり,海外電波の混信(ノイズ)などがはいることがあり,観測不能状態になることもあります。

ノイズ

飛行機

これらを考慮し,地道にカウントすればFFTDSP4でも立派な観測結果が得られるでしょう!!

集計が終わったら,そのデータを報告しよう!

 カウントが終わったデータは是非報告をしましょう.報告をしなければ「宝の持ち腐れ」です.本プロジェクトでは毎月データを集めていますので,観測をしてカウントされた場合はご報告いただきますようお願いいたします。


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