流星を電波を使って解析する流星電波観測

 
   
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ふたご座流星群(Geminids)


 年間三大流星群のひとつ.一晩に見られる流星数としては年間最大の流星群で,条件が整うと一晩の流星数が500個を越える時もあります.1時間あたりの流星数も40個から60個,多いときには100個近くに達します.最近は明るい流星や流星痕の出現も観測されており,とても印象的な流星群です.
 電波観測では間違いなく,年間最大の流星群です.対地速度も早くなくロングエコーが少ない分,エコーそれぞれが分離できます.日本では,輻射点がほぼ天頂を通過することから,電波観測特性の「天頂効果」が起き,輻射点が南中する1時〜3時付近ではエコー数はガクッと落ち,また元の出現数に戻ります.

2014年のふたご座流星群 観測条件

2014年ふたご座流星群の日本における観測条件は,「まずまず」です.

月齢条件 月齢22 深夜に月が昇ってきます.下弦の月付近と,存在感のある状態ですので,月が昇ってくると月明かりで暗い星は見えなくなるでしょう.見るには,夜半前が好条件.夜半以降は視界に月を入れない工夫が必要です.
極大時刻
(JST)
12月14日
21時頃
極大時刻は日本で夜間の時間帯となります.14日の日没後から15日夜明けにかけては好条件で観測できるでしょう.

日本国内における眼視観測(目で見る場合)の観測条件
総 評月明かりを考慮すると,13日と14日の日没後〜夜半前が見やすいでしょう.
見る方向
(方角)
流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」ですが,月明かりがあるので,「月が視界に入らない方向」でかつ「市街地ではない方向」を見るといいでしょう.
見頃となる
時間帯
(第一候補)12月14日日没後〜15日2:00(日本時)
(第二候補)12月13日日没後〜14日2:00(日本時)
注意事項夜は想像をはるかに超えた寒さです.防寒対策はくれぐれも厳重に(ホントに寒いです).ただし,直火で暖を取るのは危険なのでやめましょう.温かい飲み物を魔法瓶にでも入れて持参するのがよいでしょう.車で移動される方は,車の中は暖かいので居眠り運転,そして,路面凍結にはくれぐれもご注意下さい.

日本国内における電波観測の観測条件
総 評月明かりの影響は受けないため,極大時刻が日本となることから好条件で観測できます.かなりの流星エコー数が観測できると思います.ロングエコーの数がどの程度になるか注目です.

全世界で見た時の観測条件(海外での観測条件)
総 評今回の観測最適値は,太平洋上です.ハワイやアラスカあたりがいいかもしれません.ただし,現実的には東アジアが好条件でしょう.なお,緯度の観点からは,北緯30度〜40度付近が最も適していますので,南半球でも観測はできますが,ふたご座自身があまり高く昇らないので,数は伸び悩むでしょう.また,北半球でも高緯度は同様にふたご座があまり高く昇りません.

ふたご座流星群に関する情報

名称(和名) ふたご座流星群
学術名(コード) Geminids (GEM)
極大太陽黄経 262°.2
極大時輻射点 赤経 = 112° / 赤緯 = +33°
出現期間 12月7日〜12月17日(極大時刻は年によって違う.観測条件を参照)
性質 極大出現数(ZHR):120,光度比2.6,対地速度: 35km/s
母天体 小惑星 (3200)Phaethon
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構のデータを優先

極大夜の観測条件(2014〜2020年)

12月
JST
極大時刻 月齢
14日0時
条件
(眼視)
条件
(電波)
コメント
262.2
2014年 14日21時 22 最良 下弦の月のため,夜半前好条件.電波は一晩中最高条件
2015年 15日03時 3 最良 最良 極大時刻,月齢条件共に最高.眼視・電波共に大いに楽しもう!
2016年 14日09時 15 満月と条件が悪い.電波観測では14日未明に注目
2017年 14日15時 25 観測条件まずまず.ただし,極大が昼間.14日未明と15日に注目
2018年 14日21時 7 15日夜半から夜明け前が好条件.電波観測も条件はいい
2019年 15日04時 18 最良 極大時刻は良いが,満月過ぎの月で眼視は条件悪.電波は最高条件
2020年 15日10時 0 月明かりなし.15日未明の流星数に注目.極大が昼間なのが残念

ふたご座流星群の歴史

 年間三大流星群のひとつとして,一晩見られる数では年間最大を誇るふたご座流星群ですが,19世紀以前の記録は皆無に等しく,1862年等の記録はあるものの出現数は少なく,ほとんどの記録は1900年代(20世紀)に入ってからです.90年代初頭もあまり流星数は多くありませんでしたが,1930年〜1950年頃に徐々に流星数が増加し,1970年代からは現在の出現数まで上昇してきました.
 これだけの流星数の変化は,19世紀以前にはふたご座流星群の元となる流星物質の流れが地球と接していなかったためと考えられており,以前は21世紀にはふたご座流星群が見えなくなるとまで言われていました.しかし,その後,母天体が発見され,その母天体(3200)Phaethonの軌道が2223年に再接近するという結果がわかると,当面はこのまま見え続けるのではないだろうかと言われています.現在もその活動は活発そのもので,2000年頃からは,これまでふたご座流星群ではなかなか見られなかった明るい流星(火球)も見られるようになり,活発な活動が継続しています.一方で,21世紀後半には19世紀後半並みまで流星活動が衰えるという説もあり,まだまだふたご流星群の経年変化はよくわかっていません.いずれにしても,経年変化を観測することが,ふたご座流星群の将来の出現を見ていく上でとても重要といえます.

過去の観測結果

過去の流星電波観測結果による結果を中心に収録しています.
  icon 過去の観測結果

出典

 ・HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
 ・A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)