流星を電波を使って解析する流星電波観測

 
   
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2012年 流星群観測展望 =ペルセウス・ふたごが好条件=

 2012年の流星群観測展望です.2012年は,ペルセウス座流星群・ふたご座流星群が比較的条件良く観測できそうです.


1月の観測展望2月の観測展望3月の観測展望4月の観測展望5月の観測展望6月の観測展望
7月の観測展望8月の観測展望9月の観測展望10月の観測展望11月の観測展望12月の観測展望

2012年流星群活動展望(総論)

 2011年は,10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が13年ぶりの活発な活動を見せたり,流星電波観測では様々な流星群が検出されるなど,様々なイベントがありました.2012年は,月明かりを工夫すれば,比較的条件の良い流星群が多く,特に8月のペルセウス座流星群や12月のふたご座流星群は条件良く観測できそうです.また,2011年同様,10月りゅう座流星群の活動にも注目です.出現するかしないかの確認をする意味でもとても重要です.
 2012年は特段突発出現の予想は出ていませんが,近くになると再計算され,公表されるケースもありますので,ペルセウス座流星群10月りゅう座流星群しし座流星群等は事前に観測条件をご確認下さい.

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1月の観測展望

 1月の主要流星群「しぶんぎ座流星群」は,極大時刻が日本時間で16時頃と夕方であり,さらに輻射点が沈んでいる時間帯となります.従って,眼視観測や電波観測でも日本からの観測条件が良いとは言えません.観測条件が良くなるのは,ヨーロッパ方面です.ヨーロッパでは夜半過ぎ頃から流星数が増えてくるでしょう.国内では,4日未明の方が流星数が多いか,5日未明の方が流星数が多いか,とても微妙なところです.4日未明は立ち上がり,5日未明は終息を見ることになりそうです.月齢は10のため,夜半以降に月明かりはなく,月巡りは問題はありません.
 その他の活動は,1月はあまり見られません.ここ数年特に突発出現があったという記録もありません.眼視観測では3月にかけて小流星群が活動しますので,出現する流星がどの群に属するのかどうかを判別するのはおもしろそうです.
 電波観測では,異常がないことを日々確認することがとても重要です.ロングエコーは月初めがしぶんぎ座流星群の関係で多く捉えられるでしょう.

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2月の観測展望

 例年,2月は目立った流星群の活動はなく,眼視観測においても,電波観測においても顕著な流星活動を捉えることはありません.ただし,眼視観測ではこの頃,いくつかの小流星群が活動し,その構造はとても興味深いものがあります.群判定には少々慣れが必要ですが,流星の出現経路を記載し,流星群特定をしてみてはいかがでしょうか.
 流星電波観測では,ほとんど活動らしい活動を捉えることはないでしょう.しかし,何がいつ起こるかは誰にもわかりません.流星群活動の監視は継続して実施してください.また,この頃のデータは各観測地点の観測状況を計る上でとても重要な期間となります.Activity Levelにおいても,通常レベルの定義は2月・3月・9月のデータを使用することが多いので,継続した観測をお願いします.

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3月の観測展望

 2月同様,眼視観測・電波観測共に目立った活動は見られません.主体は2月同様,眼視観測では小流星群の特定,電波観測では流星群活動の監視と,通常レベルの測定となりそうです.

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4月の観測展望

 4月22日頃,1月以来の主要流星群「こと座流星群」が活動を見せます.2012年の観測条件は極大予想時刻が22日14時と日本からは昼間となってしまい,条件は決してよくありません.ただし,一方で月明かりはなく,22日未明や23日の観測条件は最高です.また,この流星群は突発癖があり,突如として例年より多めの活動を見せることがあります.眼視観測では22日と23日は要注意.こと座は20時過ぎには昇りますので,ほぼ一晩中観測することができるでしょう.電波観測では,昼頃まで輻射点が昇っていますので,極大予想時刻の直前とはなりますが,22日夜明け後の観測もとても重要です.
 それ以外の活動は特にありませんが,5月上旬のみずがめ座η流星群に向けて,25日を過ぎると活動が捉えられるようになると思います.

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5月の観測展望

 5月は,6日未明にみずがめ座η流星群が極大を迎えます.極大予想時刻は国内では明け方に相当し,月明かりが気にはなりますが,月を視野に入れないようにして観測してみましょう.日本からは輻射点高度があまり高くなりませんが,オーストラリアやニュージーランドなど南半球では,輻射点高度が高くなりますので,多くの流星を見ることができるでしょう.
 眼視観測では月明かりに気を配ることで観測しやすくなると思います.一方,電波観測では月明かりの影響はありませんので,6日未明から日の出後に向けてエコー数が増加すると思われます.6日の後に再度流星数があがる傾向があり,みずがめ座η流星群に依存するものなのか,昼間流星群に依存するものなのかは現時点では不透明です.
 このほか,眼視観測では特にありませんが,電波観測では6月の昼間流星群最盛期に向けて,昼間の流星数があがってくる時期です.年によっては,5月20日前後でエコー数が一度上昇することもあります.昼間群の活動形態は例年異なってくるので,今年の活動がどのように見られるのか注目です.
 ちなみに,5月は日本の関東から西の太平洋側で金環日食が見られます.流星群とは直接関係はありませんが,珍しい現象ですので是非ご覧ください.

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6月の観測展望

 6月は,月末に,6月うしかい座流星群が極大を迎えます.ただし,この流星群は,ここ数年目立った活動はなく,どの程度の活動が見られるのかは未知数です.ちなみに極大日時は,27日12時頃です.この流星群以外には,眼視観測で見られるものとして,特に目立った流星群はありません.
 一方,電波観測では6月上旬に昼間流星群が極大を迎えます.8日頃に一回目,その数日後にもう一度極大を見せることが多いです.それぞれ,おひつじ群,ペルセウスζ群に起因すると考えられます.年によって活動状況が異なります.元々電波観測ではZHRを推定することが困難でしたが,最近では,この方法が確立しつつあり,毎年の活動規模を知る上ではとても重要な要素となります.
 電波観測でも6月うしかい座流星群の出現が見られれば捉えることはできるでしょう.しかし,とにかく活動を見せるのか見せないのかがわかりませんので,継続した観測をお願いいたします.ちなみに,2011年,28日頃に日本の電波観測を中心として,新流星群と思われる活動が検出されています.例年の活動が認められており,2012年もどうなるのかとても興味深いところです.

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7月の観測展望

 7月になるといよいよ流星群観測シーズンの到来といった様相となります.7月下旬には,みずがめ座δ流星群や,やぎ座流星群が極大を迎えます.眼視観測では,7月26日頃からは明らかに流星数が増えたと感じると思います.活動は21時前後には輻射点がそれぞれ昇ってきていますので,その後は朝まで観測できます.ただし,今年は月明かりが夜半前にありますので,できれば夜半以降の方が観測条件は良いでしょう.
 電波観測では,みずがめ座δ流星群の性質が良いためか,豊富な流星エコーが観測されます.おそらく,8月のペルセウス座流星群をしのいでいると思います.活動は20日頃から観測地点によっては見えてきます.例年7月23日から25日付近に一度ピークを捉え,その後高原上の活動が続いた後に30日の主極大を迎えます.30日は明らかにみずがめ座δ流星群ですが,23日付近の活動はよくわかっていません.2012年も同様の傾向となるのか注目です.

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8月の観測展望

 8月は,ペルセウス座流星群が極大を迎えます.眼視観測においては,流星群の条件もさることながら,気温もさほど下がらず観測しやすい流星群のひとつです.2012年は12日21時頃に極大が予想されており,日本からは比較的好条件で観測できます.ただし,夜明け前に月が昇ってきますので,月を視野に入れないよう工夫してご覧ください.
 極大となるのは,13日未明です.夜半から明け方にかけて流星数が増加するでしょう.電波観測でも同様の観測条件であり,月明かりの影響を受けない分,夜半以降の流星数増加は顕著になると思います.また,対地速度が速いため,ロングエコーが多く観測される見ごたえのある流星群となりそうです.ただし,対地速度が速い故に,エコー数そのものは伸び悩むと思われます.例年,眼視観測ほどの顕著な活動グラフにはならないことが多く,眼視観測での活動規模指標となるZHRに換算して初めて全体像が見えてくると思います.
 このほか,8月上旬は7月のみずがめ座δ流星群や,やぎ座流星群の余韻が残るでしょう.特に5日頃までは活動が見られると思います.20日頃には,はくちょう座流星群の極大がありますが,その活動を顕著に捉えることはほとんどないでしょう.ペルセウス座流星群が終わると,流星数は減少の一途をたどり,月末頃には活動が落ち着くと思われます.

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9月の観測展望

 9月は,ちょうど流星群活動の狭間とあって,眼視観測・電波観測共に目立った活動が見られないことが多いです.しかし,2011年には,2日や13日に電波観測を中心に突発的な活動が捉えられており,これが過去取り上げていなかっただけなのか,2011年だけの活動なのかとても興味深いところです.2012年も引き続き観測を行いましょう.

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10月の観測展望

 2011年,10月りゅう座流星群が突発出現を見せ,眼視観測・電波観測共に捉えることができました.残念ながら日本では好条件とはなりませんでしたが,事前の予想通り出現が観測されました.2012年は今のところ突発出現の予報はされていませんが,正直何が起こるかは見てみないことにはわかりません.13年前の1998年の大出現の翌年1999年も活動が見られたことから,2012年も引き続き,観測をしてみましょう.一応,国際流星機構による極大とされている時刻は,日本時間で8日20時頃で,日没後から夜半前までは輻射点も十分な高さがありますので,観測してみましょう
 また,10月21日には,オリオン座流星群が極大を迎えます.極大予想時刻は21日13時であり,昼間となってしまいますが,活動そのものは高原上の活動となるので,前後数日間は同規模の活動が見られるでしょう.特に21日未明,22日未明あたりに注目です.月巡りはよく,観測しやすい夜半以降では月明かりがありませんので,条件良く観測できるでしょう.
 電波観測では,対地速度が速い関係から,エコー数は伸び悩むと思いますが,ロングエコー数は増えるでしょう.ただし,例年,エコー数の極大とロングエコー数の極大が異なっているケースが多く,特にロングエコー数の極大が遅れる傾向があります.これが何を意味するのかとても興味深いところです.2012年もどうなるか注目です.

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11月の観測展望

 11月はしし座流星群が極大を迎えます.2002年の素晴らしい活動を最後に,希に活動レベルが上がるものの,当時のような華やかな活動はここ数年全く見られていません.基本的にはこの傾向がしばらくは続くと思われます.極大予想時刻は17日19時とアメリカ方面で観測条件がよくなります.国内では18日未明と17日未明に注目です.
 電波観測では,おそらく活動はほとんど捉えられないでしょう.対地速度が速いためロングエコーは散発すると思いますが,派手な活動とまではいかないと思います.
 このほか,5日頃を中心として,高原上の活動が見られることがあります.これは,おうし座流星群によるものと思われます.ロングエコー数も同様にあがることがあります.また,電波観測ではこれら以外に,下旬の23日頃を中心にエコー数があがる年があります.原因が何かは定かではありませんが,明らかに増えている年もあり,2012年がどうなるのか注目です.

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12月の観測展望

 12月は何といっても,ふたご座流星群です.2012年は月明かりがなく,とても好条件で観測できます.極大時刻は14日8時ですが,14日夜半以降はきっと素晴らしい活動が見られるでしょう.眼視観測でも,10日頃からはその活動が見えてくると思います.12日未明・13日未明もそれなりの流星数が見られると思いますので,もし天候に恵まれないことがわかっている場合などは1日前倒ししてみてもいいかもしれません.
 電波観測でも多くのエコーが観測されます.おそらく年間最大の流星エコー数になると思います.国内では1時から2時頃に輻射点高度が天頂付近を通過するときにエコー数が激減する「天頂効果」が見られます.ロングエコーもそこそこ見られると思いますので,充実した流星群活動となるでしょう.
 このほか,22日夕刻には,こぐま座流星群が極大を迎えますが,突発出現がない限り,その活動を捉えることは難しいでしょう.ただし,希に突発出現がありますので注意は必要です.
 電波観測では,ふたご座流星群が活動する前の1日から5日頃にエコー数が増加する年があります.この活動もよく報告されるものの,その原因がなんなのかは未だ特定されていません.2012年もどうなるのか注目です.