おうし座流星群(11月)の基本情報・観測条件

おうし座流星群とは,10月上旬から11月終わりにかけて,約2ヶ月間見られる流星群です.おうし座流星群自体は,北群と南群で構成され,南群が5日頃,北群は12日頃に極大を迎えます.流星自体はゆっくりしたものが多く,火球が多く見られます.
電波観測では,南群については5日頃をピークに高原状のピークが観測されますが,本当になだらかな高原状のため,年によっては検出が困難な場合もあります.北群については,あまり目立った活動が検出された例はありません。

おうし座流星群(南群・北群)に関する情報

名称(和名) おうし座流星群(南群) おうし座流星群(北群)
学術名(コード) Southern Taurids (STA) Northern Taurids (NTA)
極大太陽黄経 223° 230°
極大時輻射点 赤経 = 52° / 赤緯 = +15° 赤経 = 58° / 赤緯 = +22°
出現期間 9月25日~11月25日 9月25日~11月25日
性質 極大出現数(ZHR):5,光度比2.3,
対地速度: 27km/s
極大出現数(ZHR):5,光度比2.3,
対地速度: 29km/s
母天体 2P/Encke

※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構のデータを優先

おうし座流星群の歴史

この流星群は比較的明るい流星(火球)が観測されることが知られており,過去の記録でも11世紀までさかのぼることができます.19世紀後半におうし座から流れてくる流星のプロットがなされ,おうし座流星群の正確な記録としてはこの頃のようです.その後は,たまに例年より多く見られるときはありますが,ZHR5弱の活動が続いています.

記録以上に興味深いのは,この流星群そのものの生い立ちです.南群と北群について,この2つの群は宇宙空間上では太陽に一番近い日(近日点)が地球軌道面を挟んで上下に存在し,極大日付近では,一方が地球軌道面を下から,一方が地球軌道面を上から交差するという不思議な構造になっています.生い立ちについては様々な説があり,とても興味深い流星群です.

過去の観測結果

過去の流星電波観測結果による結果を中心に収録しています.

出典

  • HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
  • A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)