ステップ2(必要機材をそろえる)


流星電波観測を始めるにあたって,どのような機材をそろえればよいのでしょうか.本ページでは50MHz帯を利用したHROを前提に記載しておりますので,VORやFROなど別の方法の場合は必要となる機材も変わってきますのでご注意ください.

受信機

流星電波観測を行うために、電波を受ける「受信機」がないことには始まりません.まずは受信機を選定しましょう.ご自身にあったものを選ばれるとよいでしょう.

ソフトウェアラジオ(SDR)

パソコンに受信機の大部分の機能をもたせたソフトウェアラジオ(SDR;Software Defined Radio)ですが,ここ最近,世界的にも多くの方が使うようになっています.受信機としては安価でありつつも,流星電波観測を行うには十分です.ただし,あまり安いもの(2,3千円のもの)を購入すると,受信周波数が安定しないこともあるようです.お勧めは,高精度で温度補償型の水晶発振器のある、R820T2&SDR+TCXO(温度補償型水晶発振器1PPM)(Amazon)やAirspy mini(マルツオンライン / Amazon)などです。

購入からソフトウェアのインストールまで,杉本弘文さんのホームページに詳しく記載されていますので,こちらをご参照ください.
icon  SDRによる電波観測(杉本弘文氏による)

汎用無線受信機

通常の無線受信機を購入する場合は,無線店に行けば購入できます.私は「ICOM IC-R75」を使っています.周波数を自由に変更できるので,柔軟性は高いです.無線機は様々な種類があります.観測されたい周波数(日本では50MHz帯)が受信できるものを購入してください.過度なものを買う必要はないです.
なお,音声出力部分がミニプラグではないケースが多いので,パソコン側へ音声を入れることを想定すると,ミニにプラグへの変換コネクタを購入することも忘れないようにして下さい.

既にアマチュア無線の受信機をお持ちの場合は,それを使用することができます.受信周波数を受信されたい周波数から少しずらして(800Hzくらい下げることをオススメ)SSB又はUSBモード(又は受信周波数のCWモード)に設定,そして必ずでAGCはOFFにして下さい.

初心者の方でも設定そのものは簡単ですが,高価なのが欠点です.とはいえ,中古品もあまり骨董品に近いと,そもそも表示されている周波数と実際受信されている周波数にズレが生じているケースもあると聞いたことがあります.中古品を購入されるにしても,しっかりとしたお店で購入されることをお勧めします(特にインターネットの中古品は,金額に大きな幅があるので要注意です).

HRO専用受信機(現在は製造中止)

2000年頃には,HROの専用受信機がありました(写真左).その後,左の受信機で課題となっていた温度による周波数変動を抑えたりとバージョンアップされた受信機が写真右です.金額も比較的安価で,とてもよかったのですが,現在は販売していません.これらの受信機は,受信周波数が53.750MHzに設定されているので,そのままでは現在は使えません.受信する周波数に変える必要があります(初心者には難しいのであまりお勧めしません).
itec-reciever itec-reciever
左が初代HRO受信機:HRO-RX1a(9,800円),右側がVerUpされたHRO受信機:MRK50(15,000円)

受信用アンテナ

受信機を決めるのと合わせて,アンテナも購入しましょう.以下は50MHz帯の受信をする場合の話です.VORや他の周波数の場合はそれにあったアンテナを用意する必要があります.

一般的な2素子のアンテナ

特に設置場所に制約がないのであれば,2素子のアンテナを購入してきましょう.「COMET製 CA-52HB,HB9CV 2エレ アンテナ」をお勧めします.他にもDIAMOND製のA502HBRや、RadixのRY-62Vなどがあります。CA-52HBの箱の外観は下左の写真のような感じだと思います.組み立てた写真(下右)も載せておきますが,ご覧になっておわかりのようにサイズとしてはかなり大きなものになります.また,このアンテナは51MHzにあうよう設定されています.受信周波数と多少ずれていても観測はできますが,中に説明書があって,若干阻止の長さを短くすると,53.75MHzに合うように設定できます.ただし,穴をあけるなどの加工が必要なので注意して作業してください(なお、DAIMOND製は切る必要があるので,慎重に作業してください.Radixはねじタイプなので調整は容易です).

HB9CV photo1 HB9CV View

アンテナは店頭にはあまり多く置いていないので,事前に無線屋へ電話で確認しましょう.ケーブルと同じお店で買って安くしてもらうのも良いかもしれませんね.(笑) 後日配送になる可能性もありますから早めに問い合わせや注文をするようにしてください.あるいは,インターネットでの購入をお勧めします.

icon 店舗へ問い合わせる場合:お勧めのショップを掲載
icon COMET製 CA-52HB HB9CV:楽天市場Amazon
icon DIAMOND製 A502HBR:楽天市場Amazon
icon Radix製 RY-62V:CQオーム本店サイト(気持ち上記2つよりはサイズが小さい)
注意:楽天市場は、店舗によって価格が違うので、よくご確認ください.
注意:中古品は出店者によって金額が大幅に違います.くれぐれもご注意ください.

既に5素子のアンテナなどをお持ちの場合は,それで観測は可能です.新たに購入する必要性はありません.ただし,送信局(福井県)からの距離によっては,受信されるエコー数が少ないという話を聞いたことがありますので,一度試した後に検討してください.

その他のアンテナ

この他,ループアンテナやダイポール,ホイップアンテナ等でも観測を行った例はあります.知識のある方であれば,十分自作も可能ですので,挑戦してみてください.(とはいっても,私自身は知識ないので支援はできませんが・・・)

同軸ケーブル(アンテナと受信機を結ぶ)

アンテナと受信機を結ぶケーブルです.ケーブルには同軸ケーブルを用います.5CFBや5DFB,5D2Vを選ぶとよいでしょう.また購入の際は,必ず両端に「M型コネクタ」が付いているものを購入してください.(写真の両端に付いているコネクタ).
ただし、受信機にSDRを使う場合は、受信機側の形状によって,変換が必要です.SMAやMCXなどいくつかパターンがありますので,変換コネクタを忘れないようにしてください.
無線屋さんとかであれば片方(受信機側)を受信機の形状に合わせてもらうこともできるかもしれませんが,ネット等では臨機応変な対応は難しいので,変換コネクタを合わせて購入するとよいでしょう.
長さは,もし屋外のみで使用するのであれば10mもあれば十分ですが,今後長期観測を考えている場合は,アンテナの設置予定場所から屋内の受信機を置く予定場所までの距離+αの長さで購入してください.かといって長ければ良いというものでもないので,適度な長さのものを購入してください.

icon 5D2V (10m):Amazon楽天市場
icon 5DFB (10m):Amazon楽天市場
icon コネクタ変換(M型とSMA):Amazon
icon コネクタ変換(SMAとMCX変換):Amazon
icon 店舗へ問い合わせる場合:お勧めのショップを掲載
注意:店舗や出品者によって価格が違うので、よくご確認ください.
注意:ケーブルは中古品はお勧めしません.新品を購入しましょう.

電源(DC12V)※SDR受信機の場合は不要

受信機の電源を確保しなければなりません(新品の汎用無線機であれば本体に付属していることがほとんど).ほとんどの受信機はDC12Vで動作します.受信機の取扱説明書をよく読んでください.また,+と-の極性がありますので,接続だけは間違えないように気を付けてください.受信機自体にも記述されていますが,HRO専用受信機の場合は線の中心が+です.機器によって逆(センターマイナス)の場合がありますので気をつけてください.
DC12V専用のアダプタでも構いませんし,お金はかかりますが,電圧を自由に設定できる電源装置を使うのも良い方法です.左側の写真がDCアダプタ,右側が電源装置の写真です.

DCアダプター 電源装置
屋外の場合は,電池BOXで対応しましょう(下写真参照).12Vなので単一の乾電池8本です.一夜は軽く耐えますので大丈夫です.単一乾電池8本に対応した電池BOXを探すのは意外と苦労するかもしれませんが,インターネット等で簡単に入手できるでしょう.くどいですが,電池の極性には注意して下さい.
電池ボックス
なお,受信機にSDRを使う場合は,USB接続ですので,電源を用意する必要はありません.

アンテナポール

アンテナポールは,一晩程度の臨時的な観測であれば,塩ビパイプでも十分ですが,常設では避けてください.
常設の場合は風雨に耐える必要があるため,専用のアンテナポールを購入しましょう.ただし,電気量販店のアンテナポールは意外と高価なので,個人的には,ホームセンターにある足場のパイプを使っていました(ただし,ちょっと大きめの「資材売場」等があるホームセンターでないと,置いていません).

固定用針金・金具

金具アンテナを固定するための針金・金具です.針金はピンキリですが,「アンテナ専用の固定針金を購入した方が無難」です.アンテナ売り場やインターネットで購入してください.
また,針金は右写真のような金具です.針金の長さを調整して,しっかりと固定するための金具です.大きさも様々なものがありますが,これは特別大きなものを買う必要はないでしょう.なお,アンテナ専用品としてもありますが,ホームセンターの一般的な金具として購入された方が安いです.強度は全く問題ないです.

※注意※
ベランダの支柱等に括り付けるのも一案ですが,強度にはくれぐれも注意してください.それから,ケーブルタイ(結束バンド)で固定するのも一案です(私も使っていました)が,必ず「屋外用」のケーブルタイを使ってください.通常のケーブルタイは紫外線で徐々に劣化します.その結果,強風等で切れる危険があります.必ず屋外用のものを使うと共に,複数個付けて,強度という側面もありますが,万が一,一本切れても大丈夫なようにしておいてください.

ビニルテープ

これは,アンテナとケーブルの接続部分に防水として使用します。専用のものもありますので,そちらでも構いません。ビニルテープでも構いませんが,定期的に貼りかえるようにしてください.長期観測には重要なもので,意外と忘れがちですので,忘れないように購入して防水対策をしてください。家にあればそれでOKです。セロハンテープはダメです。

音声ケーブル※SDR受信機の場合は不要

地味に忘れるのが,音声関係.汎用受信機の場合は,受信機とパソコンとを接続する音声ケーブルを忘れないようにしてください.通常パソコン側がミニジャックです。両端子オスを基本は購入してください(あまり延長ケーブルによる接続はしないほうがいいです).長さは受信機とパソコンの距離を測って若干余裕を持たせてください.
なお,今どきは大丈夫かもしれませんが,パソコンと受信機は離して設置することをお勧めします(パソコンからのノイズを減らすため).さて,音声は本当はモノラルですので,モノラルケーブルでも構いません.ただ,なんか気になるので一応私はステレオケーブルを使っていました.
また,パソコンはミニですが,汎用受信機側は標準プラグのケースがほとんどなので,変換コネクタを購入しておきましょう.
SDR受信機の場合は購入不要です.

パソコン

自動観測をするうえでパソコンは必須です.基本的にWindowsパソコンです.なお,観測ソフトについては,別ページにて紹介します.SDR受信機ではない場合,大したスペックは必要としないので,最近販売されている安価なパソコンで大丈夫です.
SDR受信機の場合は,Windows7以降,CoreXXのスペックをもったパソコンを用意してください.パソコンは中古でも大丈夫です.なお,自宅内のネットワークにつなぐ場合は,ウィルス対策などセキュリティ面も忘れないようにしてください.
なお,注意事項として,個人で購入するパソコンはそもそも24時間365日稼働させることを想定していないと考えたほうがいいです.特に夏場の場合,パソコンが熱くなるケースがあります.「ノートパソコンの過熱に注意!」のページで,熱さ対策について記載していますので,ご自身の設置環境によって,対策をしてください.(発火など最悪な事態を招く危険があるので,くれぐれも注意してください)


さぁ、次のステップへ進もう!
ステップ 3 機材を組み立てよう!