流星群とは?

2001年11月に大出現をもたらしたしし座流星群ですが,”しし座流星群”という名前はなぜ付いたのでしょうか。この他にも,8月にはペルセウス座流星群,1月にはしぶんぎ座流星群など,星座名と”流星群”という言葉を組み合わせた言葉が多く使われています。この”流星群”とは一体何なのでしょう。また,どのような規則で,星座名と組み合わせているのでしょうか。

流星群とは?

流星群とは,ある特定の時期に,ある特定の方向(星座)から,ある一定期間見られる流星のことです.英語表記は「Meteor Shower」.

流星群

流れた流星の経路を記録し,流れ出した方向にたどると,複数の流星がある一点(エリア)に集中します.まるでその星座を中心に四方八方に流星が流れるように見えます.これが流星群です.

放射点

放射点とは,流星群の流星が四方八方に流れるその中心となる点のことです.英語では「radiant point」.上述のとおり,流星群の流星はある一点から四方八方に流れているように見えます.その点の事を放射点と言います.なお,昔は「輻射点(ふくしゃてん)」とも呼ばれていました.近年では「放射点」と呼ばれることが多いです.

流星群の名前の決め方

流星群の名前は,放射点がある星座の名前をとって決めます.放射点がしし座にあれば「しし座流星群」であり,ふたご座にあれば「ふたご座流星群」です.従って,「しし座流星群」とは必ずしもしし座に流れる流星の事をいうのではなく,放射点がある位置なので,四方八方に飛ぶことを考えれば,例えお隣のおとめ座に流れた流星だとしても,経路をたどった時にしし座であれば,「しし座流星群の流星」ということになります.

1つの星座に複数放射点がある場合

星座は全天88ですが,現在確定している流星群は100を超えています.つまり1星座に複数の放射点が存在します.その時は放射点の近くにある星のギリシャ文字を用いて表記します.例えば,「みずがめ座η流星群」と「みずがめ座δ流星群」など.さらに「みずがめ座δ流星群」の中にも南北に放射点が分かれていることから「みずがめ座δ南流星群」と「みずがめ座δ北流星群」と表記されます.

流星群の名前を決める組織

流星群名を誰が決めているのか.まず第一に新しい流星群の確定は国際天文学連合(IAU)が行います.その時の命名ルールも2009年8月に確定しました.その後,国立天文台において「流星群の和名設定のルール」が示されて,現在,日本国内で使用する流星群名称の基本となっています.なお,日本流星研究会では,国立天文台の和名と共に,過去からの流星群研究の継続性も考慮し,いくつか例外的に扱っている名称もあります.(本プロジェクトでは,国立天文台の和名設定ルールに準拠します.所々未反映あるかもですが...)

流星群が見られる時期

流星群が見られる時期は,流星群によって違います.例えば1月ならしぶんぎ座流星群,12月ならふたご座流星群など流星群によってその活動時期が違います.見られる期間はおよそ1週間程度.ただし,しぶんぎ座流星群こぐま座流星群などピークを挟んで1日程度しか活発な活動が見られないこともあれば,5月のみずがめ座η流星群のように数日間同規模の活動が見られる流星群もあります

[参考資料]

流星群に属さない流星

このページの最後の方で紹介しますが,流星を出現方向とは逆に延長したとき,空のある一点に定まらない場合,それらは「散在流星」と呼ばれ,流星群に属する流星とは区別して扱います。

三大流星群とは?

三大流星群とは,日本では「しぶんぎ座流星群」「ペルセウス座流星群」そして「ふたご座流星群」の3つの流星群をさします.1時間当たりの流星数も条件さえよければ30~50個程度に達し,通常時に比べて多くの流星が見られます.しぶんぎ座流星群は1月,ペルセウス座流星群は8月,そしてふたご座流星群は12月にピークを迎えます.

主要流星群とは?

主要流星群とは,特に明確な定義はありませんが,毎年主に出現が期待される流星群という意味で用いられることが多いようです.人や組織によってその定義は様々です.国立天文台では「主な流星群」として記載はされていますが,これを主要流星群と呼ぶという定義ではありません.


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