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みずがめ座δ流星群(7月)の基本情報・観測条件

みずがめ座δ流星群は夏休み7月末~8月にかけて見られる流星群。基本情報のほか、2021年以降のピーク時刻や見る際のポイントなど観測条件について、目で見る眼視観測、昼夜天候問わず観測できる電波観測のそれぞれの観点で紹介。

概要

みずがめδ流星群は,7月末から8月上旬にかけて活動が見られます.この時期のみずがめ座流星群は,とても複雑な群構造をしており,4つの群で成り立っています.みずがめδ北群(NDA),みずがめδ南群(SDA),みずがめι北群(NIA),みずがめι南群(SIA).それぞれが極大を迎えますが,主力はδ南群(SDA)とされています.ただ,これらの群を区別するのはとてもたいへんで,これらにさらにやぎ座流星群も加わるため,やりがいがある反面,相当気合いを入れた観測をしないと正確な分離は困難です.通常,この時期のみずがめ座流星群というと,δ南群(SDA)を指します.
電波観測では,7月20日頃からその活動が顕著になります.とても明確に毎年観測されます.対地速度の関係か,5月のみずがめ座η流星群やペルセウス座流星群よりも流星エコー数としては多い年もあります.

2021年のみずがめ座δ流星群 観測条件

2021年みずがめ座δ流星群の日本における観測条件は,「よくない」です.

月齢条件
bad
月齢18
月齢18
月齢18の月が21時過ぎには昇ってきます.しかも月はみずがめ座にあるため,放射点とは離れたところをご覧になるとよいでしょう.
極大時刻
(JST)
best
7月28日 極大日付近は,同規模の活動が続くでしょう.特にこの日に限ることはありません.前後数日は観測できます.

日本国内における2021年眼視観測(目で見る場合)の観測条件

総 評
normal
2021年は月を避けて見ることがポイント.日付そのものは28日前後であれば特に気にする必要はないでしょう.夜の冷え込みも弱く,流星観測はしやすい時期でしょう.また,この時期はやぎ座流星群も活動します.やぎ座流星群の方がみずがめ座δ流星群より速度が遅いので,比較的ゆっくり流れて見えるでしょう.
見る方向
(方角)
流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」です.ただし月が視界に入らないよう,西側をご覧になるとよいでしょう.
見頃となる
時間帯
7月28日の前後数日間.どちらかというと,前にずらすよりは後ろにずらした方が,流星数としては多く見られるでしょう.
注意事項 ・夜は夏でも冷えます(夜露で体が冷えます).必ず長袖を準備しましょう.
・野生動物に注意.タヌキやイタチはよく見ます(熊や鹿,猪など大型の動物情報に注意).
・私有地への無断立ち入りは絶対ダメ.そしてゴミは持ち帰りましょう.
・流星に感動する気持ちはわかりますが,大声で叫ぶのはやめましょう.
・車で居眠り運転をしないよう計画的に移動しましょう.
・新型コロナウィルス感染症対策にご協力ください.
・治安には十分ご留意頂き,お子様には必ず大人の方が付き添ってください.

2021年みずがめ座δ流星群ピークの頃の夜空
日本時間で2021年7月28日00:00(東京)の夜空.放射点近くに月、木星、土星とにぎやか・・・.
星図:StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)/(Amazon)

日本国内における電波観測の2021年観測条件

総 評
best
ふたご座流星群のように,流星電波観測とは相性のいい流星群で,多くの流星エコーが観測されます.活動は7月20日ごろからみられます.徐々に増えながら,8月5日頃には終息します.明らかに流星エコー数が増えます.ロングエコーは多くありませんが,観測しがいのある流星群です.

みずがめ座δ流星群に関する情報

名称(和名) みずがめ座δ流星群
学術名(コード) Southern δ-Aquariids(SDA)
極大太陽黄経 125°
極大時輻射点 赤経 = 339° / 赤緯 = -16°
出現期間 7月12日~8月19日(極大時刻は年によって違う.観測条件を参照)
性質 極大出現数(ZHR):20,光度比3.2,対地速度: 41km/s
母天体 96P/Machholz 1

※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構のデータを優先

極大夜の観測条件(2021~2025年)

南群
JST
極大時刻 極大夜
の月齢
コメント(眼視観測)
125°
2021 7月28日 18 満月を過ぎた月が22時過ぎに昇る.視界から月を避けて
2022 7月28日 29 ほぼ新月で好条件
2023 7月28日 10 夜半過ぎ深夜1時頃月が沈む.夜半~夜明け前が好条件
2024 7月28日 22 日付が変わる頃に月が昇る.夜半前が観測には好条件
2025 7月28日 3 三日月程度のため月明りは気にする必要なし

※電波観測では,特に月明かりの影響もなく,極大時刻の影響なく7月20日頃から8月5日頃まで観測できます.
※月齢は7月28日0時頃です.時刻は日本時(JST).

みずがめ座δ南群以外の流星群について

冒頭記載の通り,この時期のみずがめ座流星群は4つの流星群で構成されます.みずがめ座δ南群以外の3つを紹介しておきます.いずれも,みずがめ座δ南群と比較すると小規模な活動です.2006年に国際流星機構による「新・主要流星群リスト」からはこれら3つは除外されましたが,日本流星研究会では,これら3つも流星群分類として取り扱い,報告時の群判定では使用するようにしています.

流星群名(和名) 学術名(コード) 極大 極大日 最大ZHR 赤経 赤緯 対地速度
みずがめ座δ北群 Northan δ-Aquariids (NDA) 136° 8月9日頃 ZHR=4 335° -5° 42km/s
みずがめ座ι北群 Northan ι-Aquariids (NIA) 147° 8月20日頃 ZHR=3 327° -6° 31km/s
みずがめ座ι南群 Southern ι-Aquariids (SIA) 132° 8月5日頃 ZHR=2 333°.3 -14°.7 34km/s

みずがめ座δ流星群(δ北,ι南北含む)の歴史

1869年~1898年にHR5.5の記録がありますが,それ以前の記録はほとんどなく,記録の主体は20世紀に入ってからです.特にι群に関しては20世紀半ば以降の記録が主体です.δ群の記録としては,1900年と1902年に顕著な活動を見せたようです.ι南群の顕著な活動の記録としては1982年の記録が残っています.
また,近年の研究から,みずがめ座δ群とι群の母天体は全く異なっているというのが定説で,δ群はしぶんぎ座流星群の母天体と同じ,96P/Machholz 1彗星の複合群であるという見解が主流です.
ここ数年では特異な活動は観測されていません.

みずがめ座δ流星群の観測結果

過去の流星電波観測結果による結果を中心に収録しています.
icon 過去の観測結果

出典

・HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
・A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)