2023年流星群ガイド(眼視観測)

2023年の流星群を見るにあたり,眼視観測(目で見る場合)によって見られる流星群について,月毎にオススメの流星群をピックアップしました.いつ見たらよいのか,どちらを見たほうがいいのか,見るうえでのポイントを紹介しています.なお,2023年において,三大流星群の中では,ふたご座流星群の観測条件が良好です.

[参考]
電波観測の2023年流星群観測展望

2023年流星群活動展望(総論)

2023年はふたご座流星群がピークも夜明け前で,月明りもなく好条件下で観測することができます.また,夏休みにピークを迎えるペルセウス座流星群は月明りの影響はほとんどないものの,ピークが13日17時頃日中なのが残念.この他,いくつか例年にはない活動の予想もされていますが,日本からは日中だったり,放射点が沈んでいたりと条件はよくありません.そんな中でも12月22日23時頃にはこぐま座流星群が多少の増加をする可能性が指摘されています.




2023年の三大流星群の概況

三大流星群とは,しぶんぎ座流星群ペルセウス座流星群そしてふたご座流星群のことです.これら三大流星群の2023年観測条件をまとめました.

流星群名 活動期間 ピーク時刻(日本時) 月齢 総論
しぶんぎ座流星群 12月28日~01月12日
01月04日12時頃

月齢12

月没後薄明までの1時間は好条件
ペルセウス座流星群 07月17日~08月24日
08月13日17時頃

月齢27

ピークは日中も月明りの影響はない
ふたご座流星群 12月04日~12月17日
12月15日4時頃

月齢2

月明りもなく15日未明が好条件!

以下のページには,年間の流星群を表形式で掲載していますので,一覧でご覧になりたい場合,ご利用ください.本ページでは詳細にお知りになりたい場合に,ご活用ください.
流星群リスト【公式版】(※国立天文台による)
電波観測の2023年流星群観測展望
年間主要流星群リスト【眼視観測編】
年間主要流星群リスト【電波観測編】

1月の流星群

1月の「しぶんぎ座流星群」はピークは夜明け後で満月前の月明りと条件は決して良くない.月が沈む4日4時過ぎから薄明開始までの1時間は好条件

1月にピークを迎える「しぶんぎ座流星群」の2023年観測条件は,月齢12と満月手前の月明りがあります.また,ピーク時刻も4日12時頃と,日本からの観測条件は決して良くはありません.お勧めは4日未明ですが,4日は月が4:30頃に沈みます.東京の薄明開始は5:20頃ですので,約1時間は月明りがない夜空です.従って4日未明は夜明けに向けて流星数が増え,夜明けとともに見えなくなっていくでしょう.なお,電波観測では好条件で観測できます.
ご覧になる際は,この頃の夜はメチャクチャ寒い(ホント真面目に寒いです)ので,防寒対策はしっかりしてから観測に臨んでください(ただし直火はやめましょう).車で移動される方は路面の凍結と,観測後,暖かな車内での眠気(居眠り運転)にはくれぐれもご注意ください.

1月の流星群として,しぶんぎ座流星群以外では,2015年にかに座κ流星群の突発出現が1月10日に観測されています.2016年以降はこの活動は観測されていませんが,2015年と同様であれば,ピーク時刻は1月10日13時頃になります.特に突発出現の予測も発表されていないので,2023年も何事もないかもしれません.
この他,1時間当たりの出現数が1~数個レベルの小流星群の活動はありますが,1時間に10個を超えてくるような活動はないでしょう.

2月の流星群

2月は例年特に目立った流星群はありません.小流星群の活動時期

例年,2月は目立った流星群の活動はなく,顕著な流星活動を捉えることはありません.ただし,眼視観測ではこの頃,いくつかの小流星群が活動し,その構造はとても興味深いものがあります.
ケンタウルス座α流星群は,1974年や1980年に突発出現が観測されており,近年では2015年にも報告があります.ピークは2月8日とされています.ただし,放射点位置が赤緯-59度となるため,東京をはじめ日本のほとんどでは放射点が昇らず,小笠原や南西諸島でわずかに放射点が顔を出す程度です.従って,東南アジアや南半球で,もし出現すれば見ることができるでしょう.

3月の流星群

3月も2月に引き続き例年特に目立った流星群はありません.小流星群の活動時期

2月同様,眼視観測・電波観測共に目立った活動は見られません.主体は2月同様,眼視観測では小流星群の特定がメインです.3月21日には小惑星2016BA14からのダストとの接近が予想されていますが,放射点の赤緯が-51°であり,放射点はほとんど昇りません.また時刻も9時~13時頃と日本からは日中となってしまいます.

4月の流星群

4月は「こと座流星群」がピーク.月齢3と月明りはないが,ピークは23日10時頃と日中






4月22日夜~23日に「こと座流星群」が活動を見せます.2023年の観測条件としては,月齢3で月明りの影響はなく好条件.ピークとなるのは23日の日中10時頃ですが,あまり気にせず夜空と共に23日未明は楽しんでください.活動規模は年によりますが,通常は1時間に数個程度です.なお,こと座流星群のピークは短いので,前後の夜では見られる流星数が大幅に減るでしょう.

5月の流星群

みずがめ座η流星群」が5月大型連休後半見頃.その他,きりん座流星群のダストトレイルとの接近による出現の可能性

5月は,大型連休の後半にみずがめ座η流星群が極大を迎えます.2023年は月齢17で,一晩中月明りがあります.ピーク時刻が7日0時頃と日本ではまだ放射点が昇っていない時間帯です.ただし,みずがめ座η流星群は性質上,同じ活動規模が数日続きますので,この時間にあまり気にすることなく,5日未明や7日未明でも見ることができます.5月大型連休とも重なりますので,比較的見やすい流星群でしょうす.なお,みずがめ座η流星群は,12年周期で活動が活発化する傾向があり,2023年~2024年にまとまった流星が見られる可能性があります.2023年はA.Egal氏らの計算では5日4時頃を中心に前後半日,M.Malsov氏の計算では、4日10時~17時頃と6日10時~7日4時頃.予想の時間帯も幅がありますので,2023年は4日未明~7日未明にかけてご覧になる方はチェックしてみましょう.
海外では,みずがめ座η流星群が低緯度や南半球では,みずがめ座自身が空高くに昇るので,多くの流星を見ることができるでしょう.観測適地はピーク時刻からすると太平洋・オセアニア.

この他,2022年に活動が検出された209P/LINEAR彗星に関連する「きりん座流星群」が2023年もダストトレイルとの接近が予想されています.1つめは5月24日16:40頃に接近する1873年のダストトレイル.2つめが24日21:40頃(1903年のダストトレイル),そして24日22:07頃(1909年のダストトレイル)です.きりん座そのものは北の空で日本では放射点が沈むことはありません.1つめのダストトレイルとの接近は日本からは電波観測で観測できます.なお,それぞれ規模は発表されていないので,どの程度になるかはわかりません(もちろん確実なことではないので,良くも悪くもズレることはあります).

6月の流星群

6月うしかい座流星群」の突発出現予報は今のところナシ.

6月は,月末に,6月うしかい座流星群が極大を迎えます.1998年と2004年に活発な活動を見せましたが,2023年は現時点で突発出現の予想は発表されていません.月齢10.夜半には沈みます.ピーク時刻は6月28日7時頃と日本からは夜明け後.ただし,仮に何らかの活動があったとしたら,この日時とは限りません.

この流星群以外には,眼視観測で見られるものとして,特に目立った流星群はありません.電波観測では,昼間流星群が年間最大の活動を見せます.

7月の流星群

7月下旬に「みずがめ座δ流星群」がピーク夜明け前は条件良好

7月末,学校では夏休みに入って直後にみずがめ座δ流星群や,やぎ座流星群が極大を迎えます.眼視観測では,7月26日頃からは明らかに流星数が増えたと感じるでしょう.活動は21時前後には放射点がそれぞれ昇り,その後は朝まで観測できます.この2つの流星群はほぼ同時期の活動となりますが,やぎ座流星群みずがめ座δ流星群より速度が遅いため,やぎ座流星群の方がゆっくり流れて見えるでしょう.
2023年は7月31日が月齢13.深夜2時過ぎに沈むでしょう.東京では薄明開始が3時過ぎなので,月が沈んだ後,1時間は好条件.この頃は1年の中でも夜の冷え込みが緩くなりますので,夏の夜空と流れ星を楽しんでください(ただし,結露はしやすく,夜露に体が濡れて冷えることがあるのでご注意ください(あと虫刺されにもご注意を!).ワンポイントアドバイスとして,ご都合等でピーク前後にご覧になりたい場合は,ピークとされる31日を挟んで前に倒すよりは後ろに倒した方が,見られる流星総数としては多くなるでしょう.ただし月明りは満月に向かうので,2023年は少し前の方がよいかもしれません.

この他,2016年にレーダーとビデオで捉えられた7月りゅう座γ流星群の活動について,同条件が7月29日4時頃と予想されています.この時間帯は既に薄明が始まっているので,薄明開始前あたりで流星数に変化があるかチェックしてみてください.本件は活動が見られるのかどうか,見られたとしても規模がどの程度かはわかりません.過度な期待はされず,みずがめ座δ流星群や夏の夜空を楽しみながらチェックしてみましょう.放射点は11:30頃昇り,22時頃南中,8時過ぎに沈みます.

8月の流星群

ペルセウス座流星群」は月巡りはよいがピークは日中.13日未明と14日未明がお勧め

8月は,ペルセウス座流星群がピークを迎えます.2023年は14日が月齢27です.特に気にする必要はないでしょう.月明りは問題ありませんが,ピークは13日17時頃と夕方.13日未明が増加傾向,14日未明が減少傾向となるでしょう.明るい流星の割合が多く,夜の冷え込みも弱いため,流れ星がとても見やすい時期と言えるでしょう.なお,2021年にはピークとされる時刻の約1.5日後に突発出現を見せ,2022年も若干の増加が見られています.もし,同様の頃に見られるとすると,2023年は8月15日6時頃に相当し,日本では日の出後となってしまいます(電波観測では観測できます).

2023年のピーク時刻からするとペルセウス座流星群の観測条件が良いのは,アメリカ.また,放射点の位置から見られるのは主に北半球です.北米や欧州,アジア,ハワイなどで見ることができるでしょう.ただし,あまり高緯度過ぎると,白夜で空が暗くならないこともあるので,北半球でも中緯度地域が適しているでしょう.海外でご覧になる際は,特に治安には十分ご注意ください.

このほか,8月上旬は7月のみずがめ座δ流星群や,やぎ座流星群の余韻が残るでしょう.年によっては,5日頃までは活動が見られると思います.20日頃には,はくちょう座流星群がピークを迎えます.2021年は比較的多くの流星が観測されたようです.ペルセウス座流星群が終わると,流星数は減少の一途をたどり,月末頃には活動が落ち着くと思われます.

この時期の夜は寒くはありませんが,夜露で体が濡れることが多く,意外と涼しく感じます.特に山でご覧になる方は,綿の服よりは,防水性のある服のほうが良いでしょう.また,野生動物との遭遇もよくある話です.イタチやタヌキ、キツネなど私も何度か”お会い”したことがあります.大型動物と出会うとたいへん危険なので,念のため自治体の注意情報や周辺施設の情報に注意しておきましょう.また,蚊に刺されやすい人は,虫よけも忘れずに.気づいたらすごく蚊に刺されていた人がいました.

9月の流星群

9/1のぎょしゃ座流星群の活発な出現予報はナシ.9月は主要流星群はありません.

9月は,ちょうど夏の流星群と秋以降の流星群の狭間とあって,眼視観測・電波観測共に目立った流星群はありません.2021年には9月1日早朝に,事前に予想された突発出現が流星電波観測で観測されました(ご参考:2021年ぎょしゃ座流星群観測結果).2022年は予想通り顕著な活動はなかったようですが,2023年は特に出現予報はありません.

この他,9月ペルセウス座ε流星群も活動します.元々流星数が多い流星群ではありませんが,2021年は例年より気持ち多かったのか,よく話題に上がりました.電波観測でも捉えられる年もあります.

10月の流星群

オリオン座流星群」はピークは日中もまずまずの条件.22日夜明け前がお勧め

10月は上旬に10月りゅう座流星群がピークを迎えます.国際流星機構で記載されているピーク時刻では,9日16時(日本時)ですが,実際,過去のピークはこの時間からズレており,あまり気にしないほうがいいかもしれません.月明りは月齢24と日付が変わる頃に月が昇ります.直近では2011年,2012年,2018年に突発出現が観測されていますが,今のところ2023年に目立つような突発出現の予想は出ていません.

10月22日未明には,オリオン座流星群が極大を迎えます.2023年のピーク予想時刻は22日9時頃(日本時)と日本では日中,月齢7で上弦の月.夜半前には月が沈みます.21日夜半前に月が沈んでから22日の明け方までがお勧めの時間帯です.活動そのものは数日間同じ活動となるので,ピーク時刻はあまり気にせず,前後数日間見ることができます.オリオン座流星群は,2006年~2009年にかけて比較的活発な活動を見せましたが,その後は低調が続いています.

なお,この頃から夜はかなり冷えるようになります.しっかりと防寒対策をしてご覧になるようにしてください.

11月の流星群

2023年は「しし座流星群」は通常ピークは日中.またダストトレイルとの接近予想も日本では放射点が昇る前で条件は悪い

11月はしし座流星群が極大を迎えます.2002年の素晴らしい活動を最後に,2009年にはZHR100程度の活動は見られましたが,当時のような華やかな活動はここ数年全く見られていません.基本的にはこの傾向がしばらくは続くと思われます.2023年のピークは18日14時頃(日本時)と日中.月齢4なので,月明りを気にする必要はないでしょう.
2023年はM.Malsov氏の計算では21日22時頃に1767年放出のダストトレイルとの接近がありますが,規模は不明.加えて,この時間は放射点が昇る直前なので,日本からは電波観測でも捕らえることはできないでしょう(ただし、予想が良くも悪くもズレることはあります).

この他,おうし座流星群の北群が11月12日頃にピークを迎えます.数こそ多くはありませんが,1998年には火球が多く流れるなど,時々明るい流星が見られます.

12月の流星群

ふたご座流星群は数年ぶりの好条件.こぐま座流星群は22日から23日に日付が変わる頃要チェック.

12月はふたご座流星群がピークを迎えます.2023年のふたご座流星群は,ピークとなる15日4時頃は月齢2で,月明りもなくピークが夜間と久々に好条件が巡ってきます.14日夜半前から15日明るくなるまでが一番のお勧めです.なお,もしご都合等で見る日をずらす場合は,ふたご座流星群の特性上,ピーク後急激に流星数が減るので,後ろにずらすより,前にずらしてください.流星数そのものが多く,空が暗ければ,一晩で多くの流星を見ることができるでしょう.

年末には,12月22日~23日にかけて,こぐま座流星群がピークを迎えます.ピークは23日13時頃(日本時)と日中.月齢は10で月明りがあります.なお,2023年はP.Jenniskens氏が22日23時頃,J.Vaubaillon氏が23日2時頃に通常よりも多少の増加がみられる可能性を指摘しているため,チェックしてみましょう.通常ピークは日中ですが,両氏が指摘する時間帯は日本からは夜間です.

この他,出現するかどうか,規模がどの程度かはわかりませんが,アンドロメダ座流星群が12月3日4時頃,46P/Wirtanen彗星に関連する流星群が12月12日20時頃それぞれ見られる可能性が指摘されています.

この頃の観測は極寒です.真面目に寒いです.防寒対策をしっかりしないと,寒くて耐えられなくなります.また,車で移動される場合は路面凍結や観測後は車内が暖かいので,居眠り運転には十分注意してください.

流星観測をするうえでの注意・留意事項

ご覧になる際は,少なくとも次の事にはご注意・ご配慮ください.多くの方が気持ちよく流星と触れ合うためにもルールとマナーは守りましょう.

  • 私有地への立ち入りや,ゴミ,大きな声で騒ぐ等は厳禁(星を見る以前の問題).周囲へご配慮ください.
  • 流れ星が見えると感動する気持ちはわかりますが,大声で騒ぎ続けることだけはやめましょう.
  • 車で移動した後はエンジンのかけっぱなしは控えてください.
  • 治安と野生動物には注意してください.
  • お子様は必ず大人の方とご覧ください.
  • 特に海外では治安の悪いところもありますので,十分にご注意ください.

以下,特にについての留意事項です.

  • 夏場でも夜は冷えます.長袖は必ず持参しましょう.
  • 虫(特に蚊)に刺される人が多くいます.虫よけも持参しましょう.

以下,特に秋~春についての留意事項です.

  • 特に冬は想像を絶する寒さです.スキーウェアは必須.防寒対策を厳重に.
  • 暖かい飲み物やカイロもよいでしょう.ただし,直火で暖をとるのはやめてください.
  • 車での移動は,路面凍結にご注意.積雪地では,一酸化炭素中毒にも注意してください.
  • 観測後暖かい車内では眠くなります.居眠り運転しないよう注意してください.

出典・参考資料

本ページに記載の情報は,可能な限り最新としていますが,更新が間に合わない場合もあります.また,これら流星群の出現を確実にお約束するものではありません.また,見られる流星数も空の条件や周囲の条件,地理的条件によって大きく変化しますので,予めご了承ください.