流星を電波を使って解析する流星電波観測

 
   
HOME > 流星群情報 > しし座流星群

しし座流星群(Leonids)


 しし座流星群は,1833年に大出現を見せ,2001年に日本を含むアジアで1時間あたり2,000個の大出現を見せました.火球が多くとても見応えのある流星群です.この流星群が出現する度に,流星天文学が飛躍的に進化し,流星群と彗星の関係性や出現予測の理論など大きな影響を与えました.
 一転して,活動期以外の時期は出現数は激減し,1時間あたり数個〜10個程度まで落ち込みます.
 電波観測では,流星の対地速度が速いため,多くのロングエコーが観測され,大出現時はロングエコーで観測画面が埋め尽くされました.一方で速度が速いが故にエコー数は伸び悩み,活動期以外の時期のピーク検出はとても困難です.

しし座流星群に関する情報

名称(和名) しし座流星群
学術名(コード) Leonids (LEO)
極大太陽黄経 235°.27
極大時輻射点 赤経 = 152° / 赤緯 = +22°
出現期間 11月10日〜11月23日(極大時刻は年によって違う.観測条件を参照)
性質 極大出現数(ZHR):10-10000,光度比2.9,対地速度: 71km/s
母天体 55P/Tempel-Tuttle
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構のデータを優先

極大夜の観測条件(2015〜2020年)

11月
JST
極大日時 月齢 条件
(眼視)
条件
(電波)
観測条件
235°.27
2015年 18日13時 6 上弦の月で未明は月がなく好条件.ただし極大時刻は欧州が適地
2016年 17日19時 18 満月過ぎの月で条件は悪い.輻射点も地平線下.観測適地はアメリカ
2017年 18日01時 29 最良 最良 月明かりもなく日本を含む東アジア全体が好条件.
2018年 18日07時 10 最良 夜半過ぎに月がなくなり,夜明け前は好条件.電波も好条件
2019年 18日14時 29 月巡りはよいが,極大が昼まで観測条件は悪い
2020年 17日20時 2 月明かりはないが,極大は輻射点が地平線下のとき
※月齢は18日0時頃.時刻は日本時(JST).

しし座流星群の歴史

 しし座流星群の確実な最古の記録は西暦902年.855年にもそれらしい記録はありますが,しし座流星群ではない可能性も.その後,ほぼ33年ごとに見事に記録が残っています.そのたびに流星雨や流星嵐といった記録が残っており,日本でも967年の最古の記録にはじまり,中国や韓国の資料と世界的に見られている流星群です.この数行だけで紹介するには惜しいくらいの膨大な記録が残っています.
 1799年,1833年や1966年の活動はすさまじく,1833年は推定HR50,000.1966年は瞬間的に推定HR150,000(1秒間に40個)と言われています.その後,1999年にヨーロッパで,2001年には日本でHR2500程度(1分あたり約40個)の活動が観測されました.2001年当時の日本は,天候に恵まれたところも多く,多くの人が流星雨を目撃し,当時間帯のラジオでも放送されるなど,全国的に注目を浴びました.
 しし座流星群は,この大出現のたびに流星天文学が進化するきっかけにもなっており,1833年には輻射点(放射点)の存在が,1866年には流星と彗星との関係がそれぞれ研究され,1966年には写真として記録が残り,1999年〜2001年は流星群出現予測の計算精度が向上,さらに1999年には映像として記録が残りました.特に1999年に発表されたしし座流星群の出現予報は,「ダストトレイルモデル」とも呼ばれ,従前の予測方法とは桁違いの精度で流星群の出現予測が可能になってきました.

将来のしし座流星群

(※出現を確約するものではありません)
 2001年に日本で大出現を見せた,しし座流星群ですが,当分の間,1時間あたりの流星数が1,000を越えるような流星雨は見られないだろうと言われています.2033年〜2035年,2037年には数百レベルまでは増加するかもしれませんが,2001年のような光景に巡り会える可能性は低いと考えられています.さらに33年後の2061年,2069年も数百程度,次にZHR1000を越えてきそうなのは2094年が今のところ最有力です.

過去の観測結果

過去の流星電波観測結果による結果を中心に収録しています.
  icon 過去の観測結果

出典

 ・HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
 ・A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)