ふたご座流星群

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ふたご座流星群(Geminids)

年間三大流星群のひとつ.一晩に見られる流星数としては年間最大の流星群で,条件が整うと一晩の流星数が500個を越える時もあります.1時間あたりの流星数も40個から60個,多いときには100個近くに達します.最近は明るい流星や流星痕の出現も観測されており,とても印象的な流星群です.
電波観測では間違いなく,年間最大の流星群です.対地速度も早くなくロングエコーが少ない分,エコーそれぞれが分離できます.日本では,輻射点がほぼ天頂を通過することから,電波観測特性の「天頂効果」が起き,輻射点が南中する1時~3時付近ではエコー数はガクッと落ち,また元の出現数に戻ります.

2020年のふたご座流星群 観測条件

2020年ふたご座流星群の日本における観測条件は,「好条件」です.

月齢条件
best
月齢0
月齢0
新月で好条件.月齢条件は文句なしです.
極大時刻
(JST)
good
12月14日
10時頃
極大時刻は日本時間で14日昼だが,14日未明と15日未明に注目.

日本国内における眼視観測(目で見る場合)の観測条件

総 評
good
2020年はピーク時刻が日本時間では昼間ですが,月明りがないため,総合的に見れば観測条件は良好です.寒さ対策をしてご覧ください.
見る方向
(方角)
流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」です.月明りもないため,可能であれば市街地ではない方角を見るとよいでしょう.
見頃となる
時間帯
(第一候補)12月13日21時頃~14日日の出(日本時)
(第二候補)12月14日21時頃~15日日の出(日本時)又は
12月12日21時頃~13日日の出(日本時)
注意事項 ・夜は想像以上に寒いです(真面目に寒い).厳重な防寒具を身につけて観測してください.
・寒いからと直火はNGです.温かい飲み物を用意するといいでしょう.
・私有地への無断立ち入りはダメ.大声もNG.そしてゴミは持ち帰りましょう.
・車は暖かく,寝不足になりますので,居眠り運転をしないよう計画的に移動しましょう.
・治安には十分ご留意頂き,お子様には必ず大人の方が付き添ってください.
・新型コロナウィルス感染症対策にご協力をお願いいたします.

2020年ふたご座流星群ピークの夜空
日本時間で2020年12月14日02:00(東京)の夜空.ふたご座はほぼ頭の真上.
星図:StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)/(Amazon)

日本国内における電波観測の観測条件

総 評
best
電波観測では2020年は好条件で観測できます.ただし,ピーク時刻頃の放射点高度は低いため,流星エコー数としては伸び悩む可能性があります.10日頃からは活発になってきます.

Estimated Geminids by radio
このグラフは,流星電波観測による過去の結果から,流星エコー数が通常よりどの程度多くなりそうかを計算したものです.なお,天頂効果は考慮していませんのでご注意ください.(※眼視観測:目で見る場合の予想流星数については,佐藤幹哉氏による「2020年ふたご座流星群の情報」に掲載されていますのでご参照ください)

全世界で見た時の観測条件(海外での観測条件)

総 評 今回の観測最適地は,ヨーロッパ方面です.緯度の観点からは,北緯30度~40度付近が最も適しています.南半球でも観測はできますが,ふたご座自身があまり高く昇らないので,数は伸び悩むでしょう.また,北半球でも高緯度すぎると同様にふたご座があまり高く昇りません.なお,海外でご覧になる方は,治安にはくれぐれもご注意ください

ふたご座流星群に関する情報

名称(和名) ふたご座流星群
学術名(コード) Geminids (GEM)
極大太陽黄経 262°.2
極大時輻射点 赤経 = 112° / 赤緯 = +33°
出現期間 12月7日~12月17日(極大時刻は年によって違う.観測条件を参照)
性質 極大出現数(ZHR):120,光度比2.6,対地速度: 35km/s
母天体 小惑星 (3200)Phaethon

※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構のデータを優先

極大夜の観測条件(2020~2025年)

12月
JST
極大時刻 月齢 条件
(眼視)
条件
(電波)
コメント
262.2
2020年 14日10時 0 月明かりなし.15日未明の流星数に注目.昼間の極大が残念
2021年 14日16時 11 夜半前は月明り.14日夜半前から15日夜明けがオススメ
2022年 14日22時 21 最良 23時頃月が昇る.ピーク時刻は悪くないので,明るい流星に期待
2023年 15日04時 2 最良 最良 月齢・ピーク時刻は久々の好条件.一晩中楽しめるでしょう
2024年 14日10時 14 ほぼ満月で観測条件は悪い.電波では14日未明がピークか?
2025年 14日16時 25 2時頃に月が昇る.13日の日没後から月が昇るまでが勝負

※時刻は日本時(JST)です.

ふたご座流星群の歴史

年間三大流星群のひとつとして,一晩見られる数では年間最大を誇るふたご座流星群ですが,19世紀以前の記録は皆無に等しく,1862年等の記録はあるものの出現数は少なく,ほとんどの記録は1900年代(20世紀)に入ってからです.90年代初頭もあまり流星数は多くありませんでしたが,1930年~1950年頃に徐々に流星数が増加し,1970年代からは現在の出現数まで上昇してきました.
これだけの流星数の変化は,19世紀以前にはふたご座流星群の元となる流星物質の流れが地球と接していなかったためと考えられており,以前は21世紀にはふたご座流星群が見えなくなるとまで言われていました.しかし,その後,母天体が発見され,その母天体(3200)Phaethonの軌道が2223年に再接近するという結果がわかると,当面はこのまま見え続けるのではないだろうかと言われています.現在もその活動は活発そのもので,2000年頃からは,これまでふたご座流星群ではなかなか見られなかった明るい流星(火球)も見られるようになり,活発な活動が継続しています.
また,流星電波観測においても,2000年代より2010年代の方が活動レベルは高くなっています(ご参考:過去の流星電波観測結果).ロングエコーも観測されており,今後の活動に期待です.
一方で,21世紀後半には19世紀後半並みまで流星活動が衰えるという説もあり,まだまだふたご流星群の経年変化はよくわかっていません.いずれにしても,経年変化を観測することが,ふたご座流星群の将来の出現を見ていく上でとても重要といえます.

過去の観測結果

過去の流星電波観測結果による結果を中心に収録しています.
icon 過去の観測結果

出典

・HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
・A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)
・Meteor Shower Workbook 2014 (J.Rendtel) – International Meteor Organization (2014)
・2020 Meteor Shower Calendar (J.Rendtel) – International Meteor Organization (2019)
・Meteor Showers and their Parent Comets (P. Jenniskens) (2006)

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