ペルセウス座流星群は.毎年8月に豊富な流星数に加え,明るい流星が多く,夏休みということもあり凍える寒さもなく観測しやすい流星群です.流星電波観測でも活動を観測できますが,対地速度がはやいため,エコー数は伸び悩みます.年によっては相当低いエコー数になることも.ただし,明るい流星が多い流星群らしく,ロングエコーは年間最大の数が観測できます.
もくじ
2021年のペルセウス座流星群 観測条件
2021年ペルセウス座流星群の日本における観測条件は,「好条件」です.
月齢条件![]() | 月齢4![]() | 月齢4なので,月明りを気にせず観測することができるでしょう.月は21時頃には沈みます. |
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ピーク時刻 (JST) ![]() | 8月13日 4時頃 | ピーク時刻は日本では薄明時間帯ですが,数時間前後は問題はないと思いますので,12日日没後から13日未明が一番の見頃となるでしょう. |
日本国内における眼視観測(目で見る場合)の2021年観測条件
総 評![]() | 月齢・ピーク時刻ともに好条件がそろうのは8年ぶり.夜空の暗い場所では天の川も見え,南西の空には木星や土星もあって,とても賑やかな夜となるでしょう.明るい流星も多く見られるでしょう.以下の注意事項をしっかり守って,楽しくご覧ください. |
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見る方向 (方角) | 流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」です.強いて言えば街の明かりの影響がない方角が良いでしょう. |
見頃となる 時間帯 | (第一候補)8月12日21時頃~13日夜明け(日本時) (第二候補)8月11日21時頃~12日夜明け(日本時) |
注意事項 | ・夜は夏でも冷えます(夜露で体が冷えます).必ず長袖を準備しましょう. ・野生動物に注意.タヌキやイタチはよく見ます(熊や鹿,猪など大型の動物情報に注意). ・私有地への無断立ち入りはダメ.大声もNG.そしてゴミは持ち帰りましょう. ・車で居眠り運転をしないよう計画的に移動しましょう. ・治安には十分ご留意頂き,お子様には必ず大人の方が付き添ってください. |
日本時間で2021年8月13日01:00(東京)の夜空.
星図:StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)/(Amazon)
日本国内における電波観測の2021年観測条件
総 評![]() | 予想されるピーク時刻が若干早いですが,観測条件としては比較的良好です.ただし,例年電波観測においては,記載されているピーク時刻よりも若干早めに観測される年もあります.ロングエコー数も多く,楽しめるでしょう. |
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このグラフは,流星電波観測による過去の結果から,流星エコー数が通常よりどの程度多くなりそうかを計算したものです.
海外を含めた観測条件
総 評 | ピーク時刻からすると,北米が好条件ですが,高緯度は白夜となるため,中緯度あたりがベスト.南半球では,ペルセウス座流星群の放射点があまり高くは昇らないため,流星数は伸び悩むでしょう.なお,月齢条件は万国共通です.また,海外で流星を見る場合は,治安にはくれぐれも注意してください. |
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ペルセウス座流星群に関する情報
名称(和名) | ペルセウス座流星群 |
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学術名(コード) | Perseids (PER) |
極大太陽黄経 | 140°.0 (8月13日付近※年によって違う) |
極大時輻射点 | 赤経 = 46°.2 / 赤緯 = +57°.4度 |
出現期間 | 7月17日~8月24日(極大時刻は年によって違う.観測条件を参照) |
性質 | 極大出現数(ZHR):100,光度比2.6,対地速度: 59km/s |
母天体 | 109P/Swift-Tuttle |
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構のデータを優先
極大夜の観測条件(2021年~2025年)
8月 JST | 極大日時 | 月齢 | 条件 (眼視) | 条件 (電波) | コメント |
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140.0 | |||||
2021年 | 13日04時 | 4 | 最良 | 最良 | 8年ぶりの好条件に恵まれる年.月は22時手前には沈む |
2022年 | 13日10時 | 15 | 悪 | 良 | ほぼ満月.また極大も夜明け後で観測条件は悪い |
2023年 | 13日16時 | 26 | 悪 | 悪 | 月は2時頃昇る.そこまでが勝負だが,ピーク時刻は夕方 |
2024年 | 12日23時 | 9 | 最良 | 最良 | 月は23時頃に沈む.夜半以降が好条件.ピーク時刻もまずまず |
2025年 | 13日05時 | 19 | 悪 | 最良 | 21時頃月が昇るため,月明り対策は必要.電波は好条件 |
※月齢は8月13日0時頃です.時刻は日本時(JST).
ペルセウス座流星群の歴史
ペルセウス座流星群は少なくても2000年近くは継続して観測されている歴史ある流星群です.記録も紀元前から始まり,様々なところで記録に残っています.その量はかなり膨大なものになります.1862年前後はかなりの規模の活動が見られたようです.その後もZHR60前後の活動が安定的に観測されています.
1991年に日本やアジアでZHR350(IMO記録)のピークが通常時の極大より少し前に観測され,多くの人を驚かせました.その後,1992年も日本やアジアの各地で多くの出現が観測.1993年以降は徐々にこのピークによる活動は衰退し,現在では従前の活動が残るのみとなっています.
一方,ダストトレイル理論により,2004年にはZHR150付近の突発的な活動が予想され,予想通りの出現が観測されました.また,2016年も予想通りの活発な活動が観測されています.それ以外は例年通りの活動が安定してみられていますが,2014年以降,電波観測では観測されるピーク値が高めに出ています.
ペルセウス座流星群の観測結果
過去の流星電波観測結果によるペルセウス座流星群の観測結果を収録しています. ペルセウス座流星群のこれまでの観測結果
出典
・HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
・A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)
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