流星を電波を使って解析する流星電波観測

 
   
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みずがめ座δ流星群(delta-Aquarids)


 眼視観測では,7月末から8月上旬にかけて活動が観測されます.この時期のみずがめ座流星群は,とても複雑な群構造をしており,4つの群で成り立っています。みずがめδ北群(NDA),みずがめδ南群(SDA),みずがめι北群(NIA),みずがめι南群(SIA).それぞれが極大を迎えますが,主力はδ南群(SDA)とされています.ただ,これらの群を区別するのはとてもたいへんで,これらにさらにやぎ座流星群も加わるため,やりがいがある反面,相当気合いを入れた観測をしないと正確な分離は困難です.通常,この時期のみずがめ座流星群というと,δ南群(SDA)を指します.
 電波観測では,7月20日頃からその活動が顕著になります.とても明確に毎年観測されます.対地速度の関係か,5月のみずがめ座η流星群やペルセウス座流星群よりも流星エコー数としては多い年もあります.28MHzの電波でも顕著な活動が観測されます.ちなみに,電波観測では群の区分はできません.

2016年のみずがめ座δ流星群 観測条件

2016年みずがめ座δ流星群の日本における観測条件は,「やや悪い」です.

月齢条件 月齢23 夜半以降に月が昇ります.夜半前は好条件.夜半以降は月を視界に入れないようにしましょう.
極大時刻
(JST)
7月28日 極大日付近は,同規模の活動が続くでしょう.特にこの日に限ることはありません.前後数日は観測できます.

日本国内における2016年眼視観測(目で見る場合)の観測条件
総 評夜半前は観測条件が良いでしょう.数は多くありませんが,比較的見やすい流星群ですので,是非ご覧になってみてください.
見る方向
(方角)
流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」です.
見頃となる
時間帯
7月28日の前後数日間
注意事項夜は夏でも冷えます(夜露で体が冷えます).必ず長袖を準備しましょう.暑ければ服を脱げばいいので,多く持参することをお勧めします.また,この頃は野生動物が活動します.タヌキやイタチなど観測しているとよく遭遇します.観測中はもちろん車での運転中もご注意ください.また,熊や鹿,猪など大型の動物に関する目撃情報にも注意しましょう.

日本国内における電波観測の2016年観測条件
総 評ふたご座流星群のように,流星電波観測とは相性のいい流星群で,多くの流星エコーが観測されます.活動は7月20日ごろからみられます.徐々に増えながら,8月5日頃には終息します.明らかに流星エコー数が増えます.ロングエコーは多くありませんが,観測しがいのある流星群です.

みずがめ座δ流星群に関する情報

名称(和名) みずがめ座δ流星群
学術名(コード) Southern Delta-Aquarids(SDA)
極大太陽黄経 125°
極大時輻射点 赤経 = 339° / 赤緯 = -16°
出現期間 7月12日〜8月19日(極大時刻は年によって違う.観測条件を参照)
性質 極大出現数(ZHR):20,光度比3.2,対地速度: 41km/s
母天体 96P/Machholz 1

極大夜の観測条件(2016〜2020年)

南群
JST
極大時刻 極大夜の月齢 コメント(眼視観測)
125°
20167月28日23 下弦過ぎの月が夜半以降昇ってくる.夜半前が好条件
20177月28日5 月は22時頃に沈むため影響は限定的.夜半頃からは好条件
20187月28日15 きれいな満月の夜.観測条件としては良くない
20197月28日25 夜明け前に月が出るが,日没後から夜半過ぎまでは好条件
20207月28日7 上限過ぎのため,夜明け前は月明かりの影響少なく好条件
※電波観測では,特に月明かりの影響もなく,極大時刻の影響なく7月20日頃から8月5日頃まで観測できます.
※月齢は7月28日0時頃です.時刻は日本時(JST).

みずがめ座δ南群以外の流星群について

 冒頭記載の通り,この時期のみずがめ座流星群は4つの流星群で構成されます.みずがめ座δ南群以外の3つを紹介しておきます.いずれも,みずがめ座δ南群と比較すると小規模な活動です.2006年に国際流星機構による「新・主要流星群リスト」からはこれら3つは除外されましたが,日本流星研究会では,これら3つも流星群分類として取り扱い,報告時の群判定では使用するようにしています.

流星群名(和名) 学術名(コード) 極大(λo) 極大日 最大ZHR 赤経 赤緯 対地速度
みずがめ座δ北群 Northan δ-Aquarids (NDA) 136° 8月9日頃 ZHR=4 335° -5° 42km/s
みずがめ座ι北群 Northan ι-Aquarids (NIA) 147° 8月20日頃 ZHR=3 327° -6° 31km/s
みずがめ座ι南群 Southern ι-Aquarids (SIA) 132° 8月5日頃 ZHR=2 333°.3 -14°.7 34km/s

みずがめ座δ流星群(δ北,ι南北含む)の歴史

 1869年〜1898年にHR5.5の記録がありますが,それ以前の記録はほとんどなく,記録の主体は20世紀に入ってからです.特にι群に関しては20世紀半ば以降の記録が主体です.δ群の記録としては,1900年と1902年に顕著な活動を見せたようです.ι南群の顕著な活動の記録としては1982年の記録が残っています.
 また,近年の研究から,みずがめ座δ群とι群の母天体は全く異なっているというのが定説で,δ群はしぶんぎ座流星群の母天体と同じ,96P/Machholz 1彗星の複合群であるという見解が主流です.
 ここ数年では特異な活動は観測されていません.

過去の観測結果

過去の流星電波観測結果による結果を中心に収録しています.
  icon 過去の観測結果

出典

 ・HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
 ・A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)