ぎょしゃ座流星群(9月)の基本情報・観測条件

ぎょしゃ座流星群(9月)について,基本情報や2023年以降のピーク時刻等観測条件を提供しています。目で見る眼視観測、電波観測それぞれの観点で記載。

ぎょしゃ座流星群とは?

ぎょしゃ座流星群とは,8月末~9月上旬にかけて活動しますが,通常はZHR5程度とほとんど活動を見せない流星群です.一方で時々活発な活動が捉えられており,2007年にZHR90程の突発出現を見せました.2021年にも佐藤幹哉氏,Lyytinen氏,Vaubaillon氏によって予想された突発出現が観測されています.対地速度が速いためか,2021年の突発出現の際はロングエコーが多く観測されました.

ぎょしゃ座流星群に関する情報

名称(和名) ぎょしゃ座流星群
学術名(コード) Aurigids (206 AUR)
出現期間 (IMO)8月28日~9月5日
(IPRMO)-
ピーク太陽黄経 (IMO)158°.6
(IPRMO)-
※ピーク日時は年によって違う.
ピーク時放射点 赤経 91° / 赤緯 +39°
特徴 (IMO)極大出現数(ZHR):6,光度比2.5
母天体・対地速度 C/1911 N1,V=66km/s

[上表について]
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構(IMO)のデータを優先

極大夜の観測条件(2023~2030年)

9月
JST
極大時刻
158°.6
月齢 条件
(眼視)
条件
(電波)
コメント
2023 9月2日0時 16 Normal Good ピーク時刻は問題ないが,ほぼ満月と月明りがある.電波は条件良
2024 9月1日6時 28 Normal Best 月明りはないがピーク時刻は夜明け.電波では好条件となる.
2025 9月1日12時 9 Bad Good 月は夜半に沈む.ただしピーク時刻は日中.電波では観測可
2026 9月1日18時 19 Bad Bad ピークが夕方.夜半以降月明りもあり条件はよくない
2027 9月2日01時 0 Best Best 月明りナシ.ピークも夜間.電波も眼視も観測条件は良好
2028 9月1日07時 12 Normal Best 満月前の月明り.ピークも日の出後.電波は好条件
2029 9月1日13時 22 Bad Good 下弦の月アリ.電波でも昼頃まで観測は可能
2030 9月1日19時 3 Normal Bad 月明りナシ.ピークは夕方で観測条件は悪い
  • 月齢は9月1日です.情報はこよみのページより.
  • ピーク時刻はFAS府中天文同好会のページより太陽黄経から換算(10分ほどの誤差があるとのこと).なお,ピーク時刻が00分~30分までは前の時刻で表示しています(例:06:28の場合は06時と表記).
  • 時刻は日本時(JST).
  • 観測条件は,眼視の場合,ピーク時刻における月齢・薄明・放射点高度から判断.電波観測条件は,ピーク時刻における放射点高度より,BestGoodNormalBadの順で表記.基本的に本プロジェクトの独断なので,他サイトとは違う表記の場合があります.

ぎょしゃ座流星群の歴史

過去1935年,86年94年,2019年にZHR30~50の出現が記録されています.ただし,86年や94年はデータ数そのものも少ないため参考程度.また,通常この時期は定常的に観測している時期でもないため,単純に記録されていないだけという可能性もあります.

2007年に突発出現の可能性が計算によって指摘され,多くの方が注目しました.この年は計算通り,太陽黄経158°.556±0°.003でピークが観測されています.また,2021年も同様に日本の佐藤幹哉氏,Lyytinen氏,Vaubaillon氏によって突発が予想され,予想通り観測されました.流星電波観測でも多くのロングエコーを取らることができました.通常は顕著な活動を捉えることはありません.

ぎょしゃ座流星群のこれまでの観測結果

過去の流星電波観測によるぎょしゃ座流星群観測結果を収録しています.

出典