23年5月下旬:きりん座流星群の観測条件

5月下旬に209P/LINNEAR彗星に関連する「きりん座流星群」の出現が予想されています.流星電波観測では昼夜関係なく観測できます.出現規模などは不明ですが,是非ウォッチしてみてください.

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きりん座流星群(Camelopardalids)とは?

きりん座流星群は,209P/LINEAR彗星を母天体とした流星群です.国際天文学連合(IAU)の確定流星群(Established meteor showers)には登録されていませんが,Working Listとして登録されています.過去は2014年,2022年にそれぞれ活動を検出しており,2022年は流星電波観測による推定ZHRは15.2014年は推定ZHR=25程度でした.

2023年の出現予想

ダストトレイルとの接近は3回.うち1回は日中.活動規模は予想されていません.5月24日午後から25日明け方まで要チェック

2023年は3つのダストトレイルとの接近が予想されています(J.Vaubaillon氏による).

5月24日16:40頃 (λ=62°.589) (1873年放出)
5月24日21:40頃 (λ=62°.789) (1903年放出)
5月24日22:07頃 (λ=62°.807) (1909年放出)

規模については不明とされています.

2023年の観測条件

月齢条件は気にする必要なし

月齢は5.月齢からしてそこまで月明りを気にする必要はないでしょう.24日は月は23時頃に沈みます.

放射点が沈むことはない

きりん座に放射点がありますが,放射点が沈むことはありません.世界的にみても北半球の中緯度以上であれば同条件です.下の図は,東京における放射点高度の変化です(天頂引力は考慮していません).

きりん座流星群放射点高度

最初の接近は国内は電波観測のみ

最初のダストトレイル(1873年放出)との接近は5月24日16:40頃(JST)で,日本国内ではまだ日中電波観測では放射点高度が40度程あるため,十分観測することができるでしょう.なお,この時刻に夜間になるのは北アメリカ.以下はサンフランシスコの夜空(視野の中心:黄色が予想放射点位置)です.現地時刻で23日の23:40です.

きりん座流星群(第一ピーク)サンフランシスコ
サンフランシスコの夜空(23日23:40現地時刻)

残りの接近は国内で観測可能

ダストトレイルとの接近2つめ(1903年放出ダスト)は5月24日21:40頃.そして3つめ(1909年放出ダスト)が24日22:07頃です.この2回の接近はいずれも日本国内から眼視・電波ともに観測できます.放射点高度も40度程あるため,観測条件としては問題ありません.月もありますが,月齢5なので,そこまで気にならないでしょう.以下の夜空は東京の夜空で24日22:00JST(視野の中心:黄色が予想放射点位置)です.

きりん座流星群(24日22時の夜空)
東京における夜空(24日22:00日本時)
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参考資料

  • J. Rendtel (2022), “2023 Meteor Shower Calendar”, International Meteor Organization
  • H.Sugimoto and H.Ogawa(2022):”Meteor activity related to 209P/LINEAR by worldwide radio meteor observations”, eMeteorNews7, pp.242-243
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