2023年ペルセウス座流星群 電波観測結果

2023年は13カ国44データを使用して最終集計しました.2023年は事前に2つのイベントが計算されていました.結果として通常ピークに加え前後にサブピークを観測することができ,おおよそ事前予想と同じ結果となっています.ただし,本当にこのピークが事前予想に該当するかは議論の余地があるところです.なお,2021年に突発出現した時刻での出現は2023年も特になかったようです.

世界観測結果統合グラフ

2023年のピークは主に3箇所.日本時間で8月13日12時頃(λ=139°.84),13日15時頃(λ=139°.96),そして14日14時頃(λ=140°.88)です.おそらく13日15時頃のピークが例年のピークでしょう.ピーク後の140.8度の活動もはっきりしており,2023年も2019年~2022年同様にサブピークが見られました

2023年ペルセウス座流星群集計結果
世界の流星電波観測による2023年ペルセウス座流星群結果

ピーク構造

Time(UT) Solar Long. Activity Level
Aug. 13 03h 139°.837 1.91 ± 0.37
Aug. 13 06h 139°.957 1.58 ± 0.36
Aug. 14 05h 140°.878 1.65 ± 0.34

流星群活動推定構造

毎年のベースとなる活動に,飛び出たふたつのピークを活動として近似しています.従って,下の図では,Comp.2が例年の活動でしょう.例年の活動は太陽黄経140.0度を中心に前後半日程の半値半幅を持っていると推定しています.そして,ピーク前の活動をComp.1として定義.この活動自体は,事前にPeter Jenniskens氏によって計算されていた結果と極めて近いのですが,規模が小さく半値半幅も短いため,決定打には欠けています.また,太陽黄経140.8付近をピークに持つComp.3は活動自体はハッキリしていますが,原因の考察は検討の余地ありです.ひとつはJ.Vaubaillon氏が計算したBC68年に放出したダストトレイルによる可能性.もうひとつは,近年太陽黄経141~141.5付近でサブピークを捉えられる年があるため,その一連の影響.前者の場合はピーク時刻が数時間ずれていること,後者であれば,理由がよくわからないことから,まだまだ議論・分析の余地はありそうです.

2023年ペルセウス座流星群構成要素
2023年ペルセウス座流星群の要素分解結果
Comp.No. Peak Time(UT) Solar Long. AL(max) FWHM (hr)
PER23C01 Aug.13 03h30m 139°.837 0.5 -1.0 / +1.0
PER23C02 Aug.13 08h30m 140°.037 1.4 -16.0 / +13.5
PER23C03 Aug.14 04h30m 140°.838 1.2 -3.5 / +3.5

図のComp-1はPER23C01,Comp-2はPER23C02,Comp-3はPER23C03に相当します.

Parameters

  • Radiant : α = 46°.2, δ = +57°.4
  • Radian Elevation : 20° < h
  • Using data within ± 0.50 σ in all observed data.

References

  • Jenniskens P., Crawford C., Butow S. J., Nugent D., Koop M., Holman D., Houston J., Jobse K., Kronk G., and Beatty K. (2000). “Lorentz shaped comet dust trail cross section from new hybrid visual and video meteor counting technique imprications for future Leonid storm encounters”. Earth, Moon and Planets, 82–83, 191–208.
  • Sugimoto H., Ogawa H. (2023). “Perseids 2023 by worldwide Radio Meteor Observations“. eMetN, 8, xx-xx
  • Observed data provided by RMOJ and RMOB
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